2016年1月20日に無事トランプ大統領が誕生しましたね。
これを受け(というか実際には少し前)、ドル円を114.85円で5lotだけですが売っています。
この記事を書いている現在では112円後半で推移していますので約200pipsほどの含み益となっています。
出口は110円前後として考えていますので、今週から来週くらいまではホールドするつもりです。
アメリカファーストはドル安の引き金か?
ボクがドル円を売った理由ですが、ズバリ「トランプ大統領の政策」です。
トランプ大統領は就任演説で以下のように語っています。
しかしそれは過去のことです。そして今の私たちは、ただひたすら未来だけを見つめています。
今日から今後は、新しいビジョンがこの国を統治します。
今日から今後は、ただひたすら「アメリカ第一、アメリカ第一」です。
貿易、税金、移民、外交に関するすべての決断は、アメリカの有権者とアメリカの家族の利益となるよう行われます。
抜粋:yahoo!ニュース
このようにトランプ大統領は「すべての決断はアメリカの利益のため」と非常にわかりやすくアメリカ国民に伝えています。
この「アメリカファースト」によって現在の為替はドル安に拍車をかける格好となっています。
なぜアメリカファーストでドル安になるのか
ここで簡単に通貨の仕組みをおさらいします。
一般的に国力が上がるとその国の通貨も強くなり、いわゆる「自国通貨高」となります。
強くなった国がアメリカならば「円安ドル高」といった具合です。
ところが最近はグローバル化が進み、国と国の間で物流のみならずヒトやサービスまでもが簡単に行き来できるようになりました。
そのせいもあり、あえて「自国通貨を安くする政策」を行い、輸出で巨額な利益を生む国家が生まれるようになりました。
例えば、1ドル100円の時に100ドルの製品を日本からアメリカに輸出すると10,000円の売上になりますが、1ドル120円の時に100ドルの製品を輸出すると12,000円の利益となり、同じ製品を売っているのにも関わらず、1ドル100円の時より2,000円も利益が多くなります。
このように、最近では「自国通貨を安く誘導し輸出で儲ける」国がむしろ力を増すというねじれ現象が起きています。
この一連の流れをビジネスマンのトランプ大統領は良しとせず、貿易赤字の大きい「中国・メキシコ・日本」にきつい牽制球を投げまくっているのが現状です。
牽制球の内容は
・中国は自国通貨を安く誘導している
為替操作をやめろ
・メキシコとアメリカの国境に壁を作る
移民に労働力を奪われている
・円の価値を下げてアメリカ経済を破壊している
もっと円の価値は高いはずだ
矢印の内容はボクが勝手に想像していることですが、ビジネスマンのトランプ大統領だけに、アメリカの利益になるような発言をしているのだと思っています。
このような発言を受け、世界のトレーダー達は「トランプ大統領はドルを通貨安に導きたい」と考えるだろうと思い、ドル円の売りという結論に達しました。
ドル円の今後の展望について
テクニカル的には112円後半で一度反転していますので、まずはここを破ってくるかどうかで随分変わってくると思います。
日足で見てみるとまだ3割戻し程度なので、最大(フィボナッチリトレースメントの61.8%)で107円程度までの戻しはあるかなと思っています。
ただ長期的に見るとまだまだどっちに行くか分からないですね。
先日池上彰さんのテレビ番組を見ていたら「トランプ大統領はプラザ合意のようなことをするんじゃないか」なんて議論が交わされていました。
プラザ合意とは1985年に行き過ぎたドル高を是正する目的で、G5で各国の協調行動への合意を求めたのがきっかけで、当時240円だったドル円はそこから長期下落トレンドに入り、およそ2年半で半値の120円まで下落する事態となりました。
当時のアメリカ大統領はロナルド・レーガン氏でしたが、奇しくもトランプ大統領は「レーガンの再来だ」とも言われており、こういう思い切った政策や発言が飛び出す可能性も十分にあるのではないかと思っています。
今後のトランプ大統領の発言には要注意ですね。