伊勢志摩サミットも閉幕し、世論調査によると大半の方が今回のサミットが成功だと感じているようです。
サミット成功⇒株価上昇、そして消費増税延期をほのめかす安倍総理の発言により株価はさらに上昇していくのか?
この辺りをまとめていきたいと思います。
伊勢志摩サミットは成功したのか?
今回のサミットは本当に力を入れていたように感じます。
特にメディアへの露出が多く、またオバマ大統領の広島訪問なども取り上げられ、Yahoo急上昇ワードでも上位表示されるなど話題が尽きませんでした。
またテレビやネットだけでなく、パチンコ店のサミット期間中の遊技台入替自粛や、駅構内のゴミ箱撤去、そして2万人近くの警察官をサミットのために出動させるなど、力の入りようが伺えました。
肝心のサミット自体は、安倍首相の開催国らしい振る舞い、そしてリーダーシップを取っている姿はテレビで何度となく放送され、メディア戦略は完璧だったんではないでしょうか?
ただ、「世界経済における国際商品価格の下落率が55%下落しておりリーマンショック前後の下落率と同じ」として経済不安を訴えかけたのにはいささか疑問が残りました。
各エコノミストも「リーマンショックの時とは中身が違う」として反論していました。
すべては「消費増税延期へのプロセス」として、サミットの機会を利用したように感じました。
 
内閣支持率と株価、為替の関係
成功の有無はさておき、日経平均株価や内閣支持率の上昇を果たしたわけで、この辺りは「さすが」と感じます。
さて内閣支持率が上がると株価や為替には影響があるのでしょうか?
2014年5月から2016年5月までの期間で調べてみました。
内閣支持率と日経平均 相関係数:0.55
内閣支持率とドル円 相関係数:0.55
日経平均とドル円 相関係数:0.91
上記期間においての相関係数は上記のような関係となりました。
内閣支持率との相関関係はそこまであるようには見えません。
逆に日経平均とドル円の相関性が非常に高いので、上記期間における内閣支持率とドル円のグラフをつくってみました。
2014年は「アベノミクス真っ只中」であったため相関性が弱くなってきていますが、2014年末あたりから相関性が強くなり、最近はほぼ同様の動きを見せています。
もちろん2国間の、しかも異なる尺度での調査なので今後どうなるかは分かりませんが、今のところは「内閣支持率アップ⇒円安」方向へ動くということでしょうか。
消費増税延期による影響は?
IMF(国際通貨基金)の試算によると、もともと予定されていた2017年の消費増税を実施すれば、主要国の中で唯一日本だけがマイナス成長になると予測しています。
(アメリカ2.4%、欧州1.5%、中国6.5%、インド7.5%と試算)
その消費増税を安倍総理は2019年10月まで延期する意向を伝えています。
これは発言通りに延期するとなれば間違いなくプラス材料でしょう。
またアメリカでは向こう3~5年程度かけて政策金利の利上げを実施していくとの見通しが立っています。
もともと日経平均とドル円相場は連動性がかなり高く、ドルの利上げは円安(円売り)材料となるので、円安株高の状態がしばらく続くのではないでしょうか?
こう考えていくと、サミットから安倍総理の発言の一連の流れは、冒頭の「消費増税延期へのプロセス」からの日本経済復活を狙っていたようにしか思えません。
それにしても最近(安倍首相誕生後)の日本政府は、マーケットコントロールが上手だな~と感心させられますね。