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【G7の目的とは?】伊勢志摩サミット閉幕で為替への影響はどうなる?

投稿日:2016年5月27日 更新日:

5月26日、27日の2日間で開催された伊勢志摩サミットも、テロなどもなく無事閉幕しましたね。

各国の首相が集まり、様々な議論を重ねた訳ですけども、そもそも「サミットって何をするの?」「G7ってどういう意味?」、そしてこのブログはFXに特化していますから「為替への影響はあるのか?」などについてまとめてみました。
 

サミットとは?

 
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サミットとは日本語に直訳すると「頂上、山頂」という意味になります。
各国の首相はその名の通りその国の代表ですから、今回のG7に限らず首脳会議や外相会合なども含めて「サミット」と呼びます。

サミットでは基本的に外交にかかる問題や環境汚染問題、そして脅威に関わるような議題が取り上げられます。
有名なのが1992年のブラジルのリオ・サミット(地球サミット)で国連気候変動枠組み条約が採択されたことをきっかけに合意を得られた「京都議定書」がありますね。

京都議定書では、1990年を基準として先進国各国の温室効果ガス排出量削減目標が定められました。
日本は削減目標6%を、アメリカは7%、EUは8%の削減を約束しました。

このようにサミットでは世界規模での取り組みを約束する、とても大事な議論の場なのです。
 

G7とは

 
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今回のサミットでは「G7」が招集され伊勢志摩サミットが開催されました。
G7サミット(主要国首脳会議)は、日本・米国・英国・フランス・ドイツ・イタリア・カナダの首脳と欧州理事会議長及び欧州委員会委員長が参加して毎年開催される国際会議です。

以前は上記にロシアが参加していたので「G8」という名称でしたが、昨今のウクライナ情勢を受けロシアは参加を停止しており、数字がひとつ減り「G7」となりました。
 

伊勢志摩サミットでの目的は?

 
今サミットでの主要テーマは、

世界経済・貿易 世界経済の成長やリスクへの対処
政治・外交問題 テロ対策、中東情勢、ウクライナ情勢や北朝鮮情勢等
気候変動・エネルギー 気候変動に関する国際社会全体の取り組み
開発 国際社会全体でアフリカの開発を議論
質の高いインフラ投資 G7としてどのような貢献が可能か議論
保健 ライフコースを通じた保健サービスの確保等について
女性 あらゆる分野における女性の活躍推進について

の7項目が議題となりました。
 
 
特に世界経済・貿易については、安倍首相が「世界経済が2008年のリーマン・ショック前の状況に似ている」とし、「危機」に陥るリスクがあるとの見方を示したことがニュースに出ていましたね。

ただエコノミストの見解では「リーマンショック当時とは構造が違い、今の世界経済は弱くない」と強調しており、新興国の経済指標が低迷していることについても、単純に高成長がひと段落しているに過ぎないとしています。




 

伊勢志摩サミットを受けて為替はどうなる?

 
日本は安倍政権発足後、日本経済復活のため「アベノミクス」を打ち出し、株価を当時の2倍まで引き上げることに成功しました。
これは「量的緩和政策」を取ってきたことが大きく、為替が円安方向へ動きその恩恵を受けた会社が利益を伸ばしたことによるものが大きいです。

そのため諸外国からは「円安政策」を取っているイメージを持たれ、サミット直前並びにサミット開催期間中は「為替介入」をし辛いだろうと思われ、現に介入はありませんでした。

ここ最近の相場が落ち着いていたのは、そういう背景からかも知れません。

問題なのは来週以降ですね。
為替介入があるかもしれませんし、景気刺激のための何かしらの発表があるかも知れません。

参考までに前回の洞爺湖サミット時の日経平均およびドル円の動きを調べてみました。

2008年 北海道洞爺湖サミット 7月7日(月)~9日(水)

■日経平均

日付 始値 高値 安値 終値
2008年7月7日 13,213 13,409 13,170 13,360
2008年7月8日 13,287 13,295 12,985 13,033
2008年7月9日 13,170 13,285 13,039 13,052

 
■ドル円

日付 始値 高値 安値 終値
2008年7月7日 106.78 107.75 106.63 107.17
2008年7月8日 107.17 107.54 106.23 107.42
2008年7月9日 107.44 107.65 106.65 106.75

 
 
どちらも小幅の値動きでした。
そりゃまあ自国開催のサミットですからあまり目立った動きはしたくないですよね。
 
 
では次にサミット閉幕後の動きです。

■日経平均 2008年7月31日終値
 13,376円⇒324円高

■ドル円  2008年7月31日終値
 107.83円⇒1.08円安

当月の終値との比較では典型的な株高円安となりました。
どうやら当時の洞爺湖サミットでは若干のご祝儀相場となったのでしょう。
 

まとめ

 
今回の伊勢志摩サミットはある意味「平穏無事」に閉幕したと感じています。
全国から2万人近くの警察が出動し、日本としても「絶対に事故無く終了する」という意思がビンビン伝わってきました。

そう考えると今回のサミットは成功に終わったのではないでしょうか?
相場が上がるか下がるかはもちろん分かりませんが、洞爺湖サミットの前後と比較すると上がる可能性のほうが高く感じますね。

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